前代表 ご挨拶
北海道ニセコ町町長 逢坂 誠二
選挙に対する国民の関心が下がっている。
選挙は、国民の政治への参加の一形態として、民主主義の重要な要素だ。しかし、個々人の戦いや、勝ち負けなど、争いとしての選挙に興味はあるものの、政策を判断し、将来を託す体制を決定するための場にはなり得ず、国民の間には選挙に対し、諦めにも似た雰囲気が漂っている。
破綻状態の財政や社会保障制度、教育の質の低下と将来社会への不安、環境問題、食やエネルギーの安全保障、日本の国際的立ち位置の変化など、日本社会が明治維新や戦後改革に匹敵する、あるいはそれ以上の大変革に直面している。この高度多様な課題が複雑に絡み合った状況を乗り越えるためには、日本の社会に今の時代ほど、しっかりとした民主主義が求められる時代はない。そのためには、国民の選挙への関心を高め、国民が期待の持てる選挙へと変質させる必要がある。
いわゆるマニフェストは、現時点では完全なものではない。マニフェストを導入すれば、今の日本の選挙が180度大転換するわけではない。しかし、マニフェストに取り組むプロセスの中で、日本の政策決定の歪さや財政構造の不都合さが見えるはずだ。あるべきマニフェストの形を実現しようとすることは、日本の政治や行政に関わるさまざまな仕組みを一歩一歩改革するための具体的な取り組みとなりうる。そして最終的には、争いや戦いだけへの興味から、政策を議論できる真の民主主義の要素たりうる選挙の実現に資するものだ。
我々の活動が、マニフェストに対する理論的な裏付けをもたらすと同時に、選挙というあまりにも生々しい実践に対する可能性を切り拓くものとなれば幸いである。
前代表 北海道ニセコ町町長 逢坂 誠二