公開日 2019年8月14日
2019年8月1日~2日、東京ビッグサイト・国際会議室にて「全国地方議会サミット2019~チーム議会が地域をよりよくする」を開催しました。当日は、北海道から沖縄まで、全国の議会関係者を中心に約600名が参加しました。
これまで「マニフェストサミット」として開催していた100人規模のイベントをバージョンアップし、先進的な議会・議長等を集め議会全体から地域を変えていくことを発信するため「全国地方議会サミット」として開催しています。
2018年度が初開催で、今回2回目の開催です。少子高齢化、人口減少、災害の多発など、深刻な課題が自治体に次々突き付けられるなか、地域をよりよくするために、2日間に渡って、「チーム議会」をキーワードにこれからの議会のあるべき姿について考え、議論を行いました。
イベントの中では、地域課題を解決するために議員だけでなく、議会事務局や執行部、市民やNPO、学識者などが「チーム議会」として団結する必要性や、「議決機関」として議員間での討議・議論が不可欠であること。災害時の議会の役割や、「自治体を担う次の世代を育てる議会」と「議会を育てる市民」という目線などが強調されました。
適宜、会場から質問が多くの参加者から出され、活発な議論が繰り広げられました。
2020年の「全国地方議会サミット」は5月に開催を予定しています。
今回のイベントが単に話を聴くだけの研修会にとどまらず、議会の立ち位置を変える場面転換の場になり、全国で議会からの地方創生が具体的にひろがっていくことを期待します。参加者が一つでも多く自身の議会で改革を実践し、皆で地域と自治の底上げを行い、また再会することを誓って閉会しました。
基調講演として「なぜ今“チーム議会”が必要なのか」をテーマに早稲田大学名誉教授の北川正恭 氏が登壇。
会の冒頭には、主催団体であるローカル・マニフェスト推進連盟の共同代表である岐阜県可児市議会の川上文浩 氏から挨拶。
「NHK地方議員2万人アンケートのホンネ」と題したパネルディスカッションがあり、江藤 俊昭 氏(山梨学院大学教授)、杉田淳 氏(NHK報道局選挙プロジェクト副部長)、久保隆 氏( NHK報道局選挙プロジェクト記者)が登壇。
パネルディスカッション「チーム議会に職員だからできること」はコーディネータとして清水克士 氏(滋賀県大津市議会局次長)、パネリストとして小原昌江 氏(岩手県北上市議会事務局議事課長)、岩崎弘宜 氏(茨城県取手市議会事務局次長)、小林宏子 氏(東京都羽村市議会事務局長)が登壇した。
先進事例紹介「AI・ICTで議会の未来を切り拓く(その1)」として松田 崇義 氏(株式会社メディアドゥ smart書記事業部長)が音声認識とAIによる業務効率化例を紹介。
「チーム議会の視点から見る議会・議員の役割」をテーマに早稲田大学教授の片山善博 氏が講演。
初日終わりの挨拶はマニフェスト大賞 実行委員長の沖縄県那覇市議の前泊美紀 氏から。同大賞の意義や応募について説明があった。
2日目は冒頭、先進事例報告「チーム議会の実践と課題」をテーマに、議会改革度調査 上位3議会の議長として早苗豊 氏(北海道芽室町議会議長)、諸岡覚 氏(三重県四日市市議会議長)、梅村均 氏(愛知県岩倉市議会議長)が議会の取り組みを紹介。コーディネータには千葉茂明 氏(月刊「ガバナンス」編集長)。
首長セッションとして「チーム議会の視点から首長との関係を考える」をテーマとしたパネルディスカッションを開催。北川正恭 氏(早稲田大学名誉教授、元三重県知事)、谷畑英吾 氏(滋賀県湖南市長)、越田謙治郎 氏(兵庫県川西市長)、上村崇 氏(京都府京田辺市長)がパネラーとして参加した。
中村健 氏(早稲田大学マニフェスト研究所事務局長)が「チーム議会の視点から選挙のあり方を考える」をテーマに問題提起。先進事例報告として公明党岡山市議団所属の則武宣弘 氏、中原淑子 氏、林敏宏 氏の3氏が実践例を共有した。
先進事例紹介「AI・ICTで議会の未来を切り拓く(その2)」として議会のペーパレス化事例を米田英輝 氏(東京インタープレイ株式会社代表取締役)が紹介。
市民の立場からのパネルディスカッションとして、「チーム議会の視点から市民との関係を考える」をテーマに議論。佐藤淳 氏(青森中央学院大学准教授)、瀧野良枝 氏(長野県飯綱町議会議員、元飯綱町議会政策サポ―ター)、竹下修平 氏(愛知県新城市議会議員、元新城市若者議会議長)、原口佐知子 氏(静岡県牧之原市 市民ファシリテーター)、田口裕斗 氏(岐阜県可児市議会高校生議会 、現 立命館大学3年)らが登壇。
「国会は地方議会をどう見ているか」をテーマとして、石破茂 氏(自由民主党 衆議院議員、元地方創生担当大臣)、稲津久 氏(公明党 衆議院議員、党地方議会局長)、逢坂誠二 氏(立憲民主党 衆議院議員、元ニセコ町長)が登壇。コーディネータには廣瀬克哉 氏(法政大学教授)。
会は最後、総括として北川正恭 氏(早稲田大学名誉教授、元三重県知事)が登壇し、自身の議会で改革を実践し、皆で地域と自治の底上げを行い、また再会することを誓って会の締めくくりとしました。