「マニフェスト・アワードコレクション」開催報告【Day2~選挙編】

公開日 2025年4月18日

 2025年3月29日、30日と、2日間にわたり「マニフェスト・アワードコレクション」をzoomのオンライン配信にて開催しました。この研修会は、地域の優れた政策や取り組みを表彰する『マニフェスト大賞』での受賞例をじっくり学び、各地域での実践に役立ててもらおうと企画したものです。当日は、ローカル・マニフェスト推進連盟の新事務所(東京都国立市)から配信され、全国から80名が参加しました。Day2では、2つのセッションと、参加者同士によるブレイクディスカッションが行われました。

 1つ目のセッションでは、「進化する政策づくり」と題し、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一氏、チーム安野の坪井遥氏、よこはま自民党で横浜市会議員の黒川勝氏が登壇しました。

 はじめに、「SNSと選挙、政策づくり。課題とこれから」と題して、山口氏による基調講演が行われました。このなかで山口氏は「2024年は日本においてSNSと選挙が注目される転換点。これからは生成AIにより『withフェイク2.0時代』に移行していく。世論工作も大衆化していく懸念がある。しかし、中庸なサイレントマジョリティとのコミュニケーションを意識し、SNSを効果的に運用することが大切だ」と話しました。

 つづいて、坪井氏から「2024年東京都知事選挙における参加型マニフェストの取り組み」、黒川氏から「よこはま自民党 ローカル・マニフェストで市民と約束した『こども条例』の制定とその後」について発表がありました。その後、パネルディスカッションが行われ、リテラシーの必要性についても話し合われました。そのなかで、山口氏からは「リテラシー教育では、縦の深堀りと、横の広がりが大切。メディア情報のリテラシー教育を体系立てて、教育課程に取り入れることが今後求められる」との話がありました。

 

      

 

 2つ目のセッションでは、「市民と連携する投票率向上」と題し、北海道松前高等学校の阿部将大氏、岐阜県若者の選挙意識を高める会(Novolt)代表の繁ハナ子氏、選挙コンシェルジュから松山市選挙管理委員会事務局の白川剛士氏が登壇しました。そして、北海道松前高等学校から「候補者のマニフェストを活用したリアル型模擬投票の実践」、岐阜県若者の選挙意識を高める会(Novolt)から「小学生が権力の監視を考える~大学生・学校・選管・大学がコラボした授業設計・実施・検証~」、選挙コンシェルジュから「選挙コンシェルジュについての概要と活動」について発表がありました。

 その後、パネルディスカッションが行われました。コーディネーターをつとめた、ローカル・マニフェスト推進連盟共同代表で可児市議会議員の川上文浩氏からは「こうした主権者教育の研修を続けていきたい。それぞれ難しい課題もあるが、マニフェスト大賞やローカル・マニフェスト推進連盟の場に取り組みを寄せていただき、全国の相談の場をつくりたい」と話しました。その後、参加者によるブレイクセッションが行われ、最後に全体の報告と共有が行われました。

 

      

 

 「マニフェスト・アワードコレクション」は、『マニフェスト大賞』での受賞例を通してさまざまな日本の課題を知り、解決策を互いに学び合う機会となっています。『マニフェスト大賞』は2006年から、地方自治体の議会、首長、市民等による、地域の民主主義向上に資する優れた取り組みを募集し、毎年表彰してきました。今年で19年を迎えましたが、これからもこのような生きた交流の場を通して善政競争につながる企画を行っていきたいと考えています。


【Day1の報告はこちら】