「決算審査直前 特別集中セミナー ~心構えから知っておくべきポイントまで~」開催報告

公開日 2025年7月31日

 2025年7月29日と30日、『決算審査直前 特別集中セミナー ~心構えから知っておくべきポイントまで~』を開催しました。今回は会場&オンラインでの【2日間開催】です。9月の決算審議を前に、北海道から九州まで90名を超す市区町村議会議員からお申込みいただきました。

 講師は、ローカル・マニフェスト推進連盟共同代表の川上文浩・可児市議会議員。これまで可児市議会では、予算決算審査サイクルや若い世代との交流サイクルの導入など、多くの議会改革を推進してきました。川上議員は、こうした改革の輪をひろげようと、全国各地で事例報告などを精力的に行ってきた存在です。

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会場とオンライン参加者に向けて講演する川上議員

 【Day1】では、可児市での議会改革の取組みと決算審議の位置づけ、予算審議の前にどのように市民と対話する場をつくるのか、監査委員から見た決算審査のキーワード、決算審査での注目点などについて、講演しました。そして【Day2】では、より具体的に可児市議会での取組みを深堀りしました。予算決算委員会の進め方、予算決算委員会での事前質疑、重点事業点検シートの活用方法、予算決算委員会による提言内容などです。

 川上議員からの報告に、衝撃を受けた参加者も多かったようです。「議会の役員の決め方が大きく違う」「私の議会では委員会はそんなに活動していない」「そもそも予算決算委員会がない」「議案の分割付託ではだめなのか」。驚きの声が次々とあがりました。

       決算セミナー02

『特別集中セミナー』として講演と質疑は2日間で6時間に渡った

 参加者からは、会場だけでなくZoom【チャット機能】を活用して多くの質問が出ました。「決算時に全会一致のテーマを付帯決議しているが提言とどう違うのか」「事務事業評価シートは議会ではどのような視点でチェックするのか」「監査情報、自主財源・依存財源の資料はどのように入手するのか」などなど。財政調整基金の考え方や都市計画道路・鳥獣対策など、具体的な政策に関する質問もありました。そして各議会での四苦八苦や議会改革の進行状況など【ここでしか聞けない話】も満載でした。

   自治体の規模も決算・監査の方法もそれぞれ違いますが、何か議会活動のヒントになればと、川上議員は丁寧に応えていきました。そして「決算は最も大切なもの。市民に役立つ議会とは何をしていったらよいのか、【少数意見にも耳を傾ける姿勢】で改革を続けてきた。可児市だけでなくほかの議会でも決算改革に取り組むことができると信じている」「首長は執行部目線だが、議会は【市民目線】。重点事業点検シートなどを活用することで、予算審査は充実したものになる。他の議会でもぜひ試みてほしい」と述べました。

 本企画は、学者による解説ではなく【議会での実践】を重視したセミナーです。参加者からも質問が飛び交い、多くの情報交換ができました。私たちも課題や気づきをたくさんいただきました。とかく複雑になりがちな議会運営のなかで、一人では思い悩んでしまうことも少なくありません。「どのようにしたら市民福祉につながる決算審査ができるのか」。これからも全国の仲間と一緒に、学び考えていきたいと思います。参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

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たくさんのご参加ありがとうございました!次回は、決算セミナーでお会いしましょう!