公開日 2025年9月30日
2025年9月30日、第04回LM会員定例会を開催しました。今回のテーマは「スポットワークと自治体連携、地方創生の可能性」。9月議会で忙しい時期に、約20名の参加がありました。
近年、スマートフォンを活用し、単発・短時間で働ける「スポットワーク」の利用が急速に広がっています。働き手にとっては、好きな時間に柔軟に働くことができ、即時にマッチングできる点が魅力です。一方、事業者側にとっても、人手不足の解消や急な業務への対応が可能となり、こうした仕組みを活用する自治体が全国で増加しています。
そこで今回は、株式会社タイミーから、社長室地方創生グループマネージャーの葛西伸也さんと、社長室地方創生グループ自治体チームの下間匠(元君津市職員)さんを講師としてお呼びし、自治体連携の現状と課題について話を聞きました。
全国の自治体との連携事例を報告
タイミーは「地域の事業者とワーカーを段階的に増やしていき、様々な業種で多様なワーカーがマッチングする状況」を目指し、現在、60の自治体と連携を進めています。岐阜県下呂市との業務提携に関する協定、北海道洞爺湖町との包括連携協定、青森県三戸町との農業等の労働力確保に関する協定など、具体的な事例を報告いただきました。
そのなかでは、最高齢は90歳までのスポットワーク実績があるシニア世代への支援事例、商店街イベントへの人的資源の協賛事例についても紹介がありました。そして、全国初となるひとり親等就労困難者への支援をテーマとした兵庫県三田市との事業連携協定についても報告があり、関心を集めました。
参加者からは、どのように人材や事業者の掘り起こしを行うのか、自治体との役割分担、介護や保育の分野での課題などについて質問が出ました。気になる自治体の予算措置については、「自治体からの予算ありきではなく、互いがもっているリソースを活用し地域の課題を解決していくことが大事。自治体との連携を行うことによって、地域のすみずみまでサービスを行き届かせることができる」と話がありました。
そして最後は参加者同士の情報交換も行いました。地方での実際の普及状況や、議会でのテーマに対するやり取り、こども家庭庁からの保育士のスポットワーク通達に関する考え方などです。全国の参加者から話を聞くと、地方の様々な分野までスポットワークが浸透しつつある現状に驚きました。人生100年時代と言われるようになり、働き方も大きく変わろうとしています。地域の暮らしを維持していくためにも、自治体としてさまざまな働きかけの可能性があることを感じた定例会でした。
(事務局・N)
▽【次回のお知らせ】2025年10月8日(水)第05回 LM会員定例会
「シリーズ議員に必要な法律知識『初動を間違えるな トラブル対処の勘所』」
オンライン参加者と記念撮影