第13回マニフェスト大賞優秀賞を発表しました

公開日 2018年10月6日

第13回マニフェスト大賞優秀賞を発表いたしました。
応募総数2,242件から選ばれたのは、36件の取り組みです。

グランプリ、最優秀賞の発表は、11月9日(金)授賞式にて行われます。
また、11月8日(木)には、受賞者の先進事例の取り組みを学ぶプレゼン研修大会を開催いたします。ぜひ、ご参加ください。

※優秀賞に選ばれなかった方も、特別審査委員(箭内道彦氏、秋吉久美子氏、原田謙介氏)による特別賞を受賞する可能性があります
※ノミネート一覧はこちらをご覧ください

 

◇第13回マニフェスト大賞 優秀賞受賞者一覧

■優秀マニフェスト推進賞<首長部門>
 
■優秀マニフェスト推進賞<議会部門>
 
■優秀マニフェスト推進賞<市民部門>
 
■優秀成果賞
 
■優秀政策提言賞
 
■優秀コミュニケーション戦略賞
・Team Sendai  (宮城県仙台市)
・法務deランチ(阿部のり子)(福島県郡山市)
 
■優秀シティズンシップ推進賞

 


◇第13回マニフェスト大賞 優秀賞概要一覧

■優秀マニフェスト推進賞<首長部門>
鈴木周也 (茨城県 行方市長)
平成28年3月に「行方市総合戦略」を策定。戦略策定にあたっては、無作為抽出した3000名の市民を対象にアンケート調査を行い、回答をいただいた市民の中から「なめがた市民100人委員会」を組織。公約を着実に実践して行く取り組みとして「行方市総合戦略実施計画」「行方市公共施設再編に向けた展開プログラム」「行方市経営戦略」を策定した。

板倉正直(千葉県 印西市長)
平成24年7月の市長選挙において「とことん市民目線」で、現状の①ごみ焼却場政策、②救急医療政策、③北総線・買い物政策、④子育て・教育政策、⑤地域保全政策に対する刷新を掲げ当選を果たした。その際、ごみ焼却場の移転計画の白紙撤回を第1に掲げた。当選後は、徹底的な情報公開のもとでの移転計画を策定し、ごみ焼却場の移転を進めている。

小林常良(神奈川県 厚木市長)
これまでの12年間の任期中に掲げ続けてきた3つのマニフェストの柱である「企業誘致・地域経済活性化」「日本一を目指した子育て・教育環境」「徹底した行財政改革」を軸に、政策の方向性をぶれることなく取り組んできた結果、目に見える形で成果を現わせたことが大きなポイントとなっている。マニフェストの推進体制にも工夫を凝らしている。

阿部守一(長野県知事
2014年8月の長野県知事選挙でマニフェストを掲げて当選。3期目の挑戦でも、マニフェスト「あべ守一 基本政策集2018 ~創造的で持続可能な共生社会づくり~」を掲げ当選した。マニフェストのPDCAサイクルを実現するべく、4年間の自己評価を実施。さらに、新たな試みとして、県内10地域の方向性をそれぞれ明らかにし、マニフェストに盛り込んだ。

村岡隆明(宮崎県 えびの市長)
市長が、2期目の市長選挙に臨んだ際に掲げたマニフェストに関して、その進捗について毎年度期首(4月)・中間(10月)に市長ヒアリング等を通じた進行管理を行っている。市長2期目の最終年度には、外部評価にあたる「えびの市政策検証委員会」を3回開催し、達成状況等について検証及び評価を行った。結果は、市のホームページにて公開している。

 

■優秀マニフェスト推進賞<議会部門>
公明党荒川区議会議員団
「あらかわ公明ビジョン100」「あらかわ公明アクション111」「あらかわ公明ボイス123」と、区の職員にはない生活者の視点を重視し、提言・更新する作業を行っている。前回のローカルマニフェストの検証作業を経て、4年に1度実施される区議会議員選挙において、これまでの実績とこれからの政策を明確にした。

都民ファーストの会東京都議団
東京都議会議員選挙で、東京大改革と称し、議会改革から島しょ地域振興までの15領域で「14の基本政策と377項目の公約」を掲げた。なかでも基本政策については、25年で1本しか成立してこなかった議員提案条例として提案成立させることで、議会の役割や議員のあり方について改革していくとした。「公約ブラッシュアップ研究会」を立ち上げ、進捗を検証しホームページでわかりやすく公開している。

自由民主党横浜市支部連合会、自由民主党横浜市会議員団
議員によるマニフェスト進捗モニタリングと検証大会の開催、新公約作成による「よこはま自民マニフェストサイクルの確立」。2011年の「8本の条例マニフェスト」に続き、2015年に24の政策マニフェストを発表。中間・最終検証大会を開催し、民間シンクタンクに外部評価を依頼。31名の質問をマニフェスト項目ごとに洗い出す作業も実施した。結果を踏まえ、新たなマニフェストづくりに着手している。

佐野弘仁(山梨県甲府市議会議員)
2015年の「マニフェストSW甲府」を活用、ローカル・マニフェスト(LM)として3項目の「重要政策」と合わせ別に、8項目の「重点施策」を掲げた。会派所属議員のため、重要政策2項目は会派LMを実現に向け、個人LMとして推進した。「LMフォーマット」+「見える化マネジメントフォーマット」+「LMフロー」を策定し、LM推進に取り組んだ。

林晴信(兵庫県西脇市議会議長)
2017年11月改選後の議長選挙にマニフェストを提示して立候補。マニフェストは議長選1週間前に全議員に手渡しするとともに、ホームページやブログ、SNSなどを通じ市民に広く告知。選挙当日は本会議場でマニフェストに基づき10分間スピーチを行い、インターネット中継もされている。休憩中ではなく、会議録にもきちんと掲載されている。

 

■優秀マニフェスト推進賞<市民部門>
議会マイニング(東京都)
2018年の町田市議会議員選挙の際、選挙前に市民が投票選択先の参考になるものとして制作。インターネットで公開されている約650万字に及ぶ33名の4年分の議事録データを“一目で”わかるようにビジュアライズするシステムを制作し、発言を見える化。注力して取り組んでいる政策テーマが“一目で”わかるよう、発言の中で頻繁に登場するワードを大きさや色を変えて示している。

共創かまくらプロジェクト(神奈川県鎌倉市)
地域福祉・医療にかかる専門職の有志によるプロジェクト。福祉・医療を総合的かつ網羅的に捉えた政策集を構築し、全国の自治体に現場の声を届け、総合的な課題解決を目指す。福祉・医療にかかる市民起点の政策集を作成し、現職市長に提案。選挙公約に取り入れ3選した後、2018年3月に一般会計予算案が可決され、現在、公約の多くが事業化されている。

信濃毎日新聞×6高校(長野県)
長野県知事選に際し、候補者の主張や政策を分かりやすくまとめた特集紙面を制作。授業で新聞を活用する「長野県NIE研究会」と連携し、実際の知事選立候補者を想定した模擬投票を行う主権者教育を実施。高校生1189人が参加し、実際の選挙において市全体や県全体の10%以上上回る投票率となり、若年層の投票率の向上に資する効果となった。

Local Democracy Action-KYOTO (LDA-KYOTO)(京都府)
2015年より大学門前や街頭にて学費・奨学金・働き方など生活実態に関わる「生活実態アンケート」を1000人以上から集約。実態を可視化し全世代の問題として広く社会や地域の中で共有する中「1000人の声から生まれた、京都府に実現してほしい17のこと」を作成し、京都府知事選挙に向けて政策提言を実施。実際に候補の政策に反映された。

クラーク記念国際高等学校 熊本上通キャンパス(熊本県熊本市)
2016年の熊本県知事選にて実施した模擬選挙を契機に2017年はマニフェストについて勉強会を開催し、高校生の疑問点や提案などを大西熊本市長に提出する取り組みを実施。“模擬”選挙だけでとどめず、”現実”に市長へ提案するゴールを設定。熊本市の方を講師として招き、大西市長マニフェストの内容や進捗状況、熊本市政の内容について具体的に学び提案に結びつけた。

 

■優秀成果賞
茨城県 取手市議会・議会事務局
女性議員だけで構成する「女性議員による議会改革特別委員会」を設置し、議会会議規則はじめ各種例規の改正にとどまらず、女性の視点からの市民生活向上を図るため意見書として国に提言するとともに、県内市議会議長会を通じて動きがミクロからマクロに変わるよう促進した。「防災」をテーマに新規採用職員との対話と市防災計画チェックなども。

長野県 喬木村議会
人口1万人以下の議会において議員のなり手不足の課題を解消するために、兼業議員を含めた多様な立場の者が活動しやすい環境を整備するとともに、休日夜間議会という制約された時間内で議会機能が担保できるか試行している。ICTを積極的に活用するとともに「町村議会のあり方に関する研究会報告書」に対する意見集約も行い、注目を集めた。

愛知県 犬山市議会
議会改革の第2ステージとして、議会機能を向上させ成果を出せるよう「市民参加」に重点を置き、「議員間討議」を活かし、意見集約し「議会としての意見」を伝え、行政に提案・改善を求める議会を目指している。定例会開催期間中に市民が議場で議員に対し市政全般に関して発言ができる「市民フリースピーチ」や「いちにち女性議員」なども実施。

岡山県 牟佐町内会
岡山市北区の牟佐町内会は945の世帯を抱え、地域の半分以上が市街化区域で、鳥獣被害もほとんどなかったが、近年、イノシシによる農作物等への被害が出始めていた。地域コミュニティーである町内会が中心となって捕獲活動を推進し、地域住民や猟友会との連携を進めることで、副産物としてのジビエ肉や皮革を地域交流に有効活用している。

熊本県 熊本市中央区役所
例年、転入転出時期における窓口申請手続きの長い待ち時間には、多くの苦情が寄せられていた。そこで、窓口業務に関わる職員自らが考えるワークショップを開催し、目標値を定め改善をはかった。結果、最大81分まで短縮でき(平均待ち時間は42分)、証明書発行も即日発行が実現できた。市民の待ちスペースや職場環境の改善も図られた。

 

■優秀政策提言賞
船橋市LGBT・性の多様性を考える議員連盟
LGBTに関する地方議連としては全国で初の全会派の議員から構成されている議連である。LGBTに関する議員の理解を深めるために、当事者との意見交換を通じた課題の把握や先進事例を視察・調査し、共有する取り組みなどを実施。人権ポケットブックの発行やLGBT理解促進のための講演会の開催といった政策提言による成果もある。また市長と当事者とが直接話し合う意見交換会を主催し、教育現場や医療現場における啓発と理解の促進に関する答弁を得た。

佐藤まさたか(東京都東村山市議会議員)
中学校全員給食化に関する取り組みを実施。中学校給食費の未納問題を防止するシステムが、食事を十分に摂れない生徒や給食の時間に引け目や負い目を感じながら毎日過ごしている生徒を生み出してしまっている課題に対し、背景に潜む複雑な貧困問題・親子関係など深刻な問題を考慮し、中学校全員給食化の実現に向けた取り組みや実態調査を実施。

若手議員の会東京(東京都)
「議員になったら条例を作ろうプロジェクト」と題し、2017年から超党派の若手議員の会東京支部では「議員立法のための集中プロジェクト」を実施。ふるさと納税制度改善の為の条例について目的や定義決めなど、一から条例を作成する作業を手掛けた。出来上がった条例案を議員たちは地元に持ち帰り、2018年8月現在、第三定例会や第四定例会など各議会での成立を目指している。

新潟県 上越市議会
議員のなり手不足の危機感から、議長(当時)の諮問組織として、「市議を目指しやすい環境検討会」を設置。検討過程において、ホワイトボードミーティングの実施や検討委員の一方的な視点での提言とならないよう、市民や、実際に市議に立候補するに至った現職・前職議員など他方面からの意見を聴きながら検討を進めた。今年度に入り、議会改革に関する推進実行組織を立ち上げ、提言に基づく取組を優先順位づけし、実行に向けスタートしている。

猪奥美里(奈良県議会議員)
訪日外国人の数は増加を続け、奈良県を訪れる外国人の数は昨年年間200万人を突破する中、ないがしろにされてきた外国人避難体制に対し、政策提案として、県と奈良市が連携をとり、災害対策基本法に基づく外国人専用の福祉避難所として「県外国人観光客交流館」を活用する協定が締結。全国で初めて外国人専用の避難所が奈良市に設置された取り組みを実施。

川西市議会会派「明日のかわにし」
従来の「会派予算要望」ではなく、行政の予算編成プロセスに対する政策提言として「会派予算提案」を市長に対して行った。会派予算提案書の作成の際「提案する総概算金額は原則マイナスとすること(マイナスの予算提案)」などのルールを定めた。これにより行政側と「事業の優先順位」の考え方・観点で実質的な議論を交わす機会も増えた他、事業の選択と優先順位を意識した「あれかこれか」の予算編成を求める議会会派活動のスキーム形成にもつながっている。

 

■優秀コミュニケーション戦略賞
・Team Sendai(宮城県仙台市)
Team Sendai(チームセンダイ)は、自治体職員が被災・復興の現場で向き合ったジレンマや工夫などを学び合いながら後生の職員に繋げ職員の資質向上を目指す仙台市職員の自主勉強会。震災の体験語り合う「語り部の会」や「災害エスノグラフィー調査」、「防災シミュレーションゲーム「クロスロード(災害に関するカードゲーム)」」などの活動や催物を実施し、延べ1381名の参加者に継承。

・法務deランチ(福島県郡山市)
職員の「リーガルセンス」を磨くことを目標に活動。誰でも楽しみながら法務を学べるよう、ランチタイムを活用した「昼活」でリラックスした雰囲気で実施。「地方分権改革と自治体の事務」や「窓口業務の外部委託の可能性」など幅広テーマ設定で行う。また「地方公務員採用における居住地要件の可否」について神奈川県、千葉県、愛知県、奈良県の職員と法的な考察を行う交流会も実施。今年度は、自治体側が敗訴した事例を反省材料として学ぶほか、市民参加型の「法務deサタデー」も企画。

中原恵人(埼玉県 吉川市長)
「価値ある未来を、共に」を合言葉に、市民が主体的にまちづくりに関わる「市民と行政の共動」を理念として市政運営を展開。のべ1164名が参加した市の方向性や大きな事業に対して市民と市長が直接意見交換を行う催物や市内小中学校で子供達と給食を食べながらて意見交換を行う活動などを開催。その他、市内在住、在勤、在学であれば誰でも政策提言を行えるシンクタンクや立ち上がったばかりの市民団体やサークルの成長をサポートする助成金制度も設立した。

埼玉県 鶴ヶ島市議会図書委員会
「もっと身近な議会へ、もっと確かな議会へ」と議会改革を進める鶴ヶ島市議会の取組を行うべく、議会図書室の一画に全国初の「まちライブラリー」を設置。「一般質問で使える議会図書室」「主権者教育の枠を超えた議員になる為の議会図書室 」などのポリシーを掲げ、市民との交流の拠点として活用。植本祭という本の寄付を募るイベントを実施し、議会傍聴に来ない市民からの参加もあった。最近は、認知症予防をテーマに、銀幕カフェを開催。

田中紀子(千葉県木更津市議会議員)
議会で要望や提案をした際の「金がない」の一言で始めた財政状況の調査。H16年度から財政健全化に向けて市が取り組んだ内容を「お財布チェック№1」としてまとめ、家計簿感覚で身近な話題と財政を結びつけながら、市民へわかりやすく伝えた。また市民やスタッフと協力して「市民目線でつくった木更津市の財政白書」を発行し、行財政をチェックする市民力と議員力を育んだ。

 

■優秀シティズンシップ推進賞
まちであそん実行委員会(茨城県境町)
高校生がまちのコンテンツ作りをアイデアソン形式で行う「まちであそん」は、「境町で過ごす、自分たちの週末が楽しくなる企画を考え、期間中に実践してください。」というお題のもとアイディア出しを行う。役場職員は実行委員として、日程や場所の確保など、サポート事業を行い、メンターやサポーターとして大学生が関わっており、プランに対しての助言や、進捗管理を行う。資金は共催である境町役場より受けており、今年度は、期間中にプランの実行やリサーチのために使うということを条件に、10万円の活動資金が各チームに与えられている。

NPO法人SET(東京都)
岩手県陸前高田市広田町に「決して減らない活動人口」を生み出し続けるChange Maker Study Program(CMSP)を運営。主に関東圏在住の有志の大学生が陸前高田市広田町に訪れ、1週間で町の為になるアクションを企画、実行、報告まで行う。過去38回開催で年間約200名の参加者がいる。参加者のうち、3割弱が運営側としてCMSPに携わるようになり、新たなプロジェクトを町内で始めたり、移住を選択する者まで生まれてきている。現在では毎週10~20名の若者が継続的に活動に訪れ、若者の新たな人の流れを創った。

NPO法人わかもののまち(静岡県)
子ども・若者を「未熟な市民」から「若い市民」へと転換することを目的に「日本ローカル・ユースカウンシルプロジェクト」を実施。欧州型の若者議会「ユースカウンシル」の取り組みを日本でも活かすべく、全国の子ども・若者の参画に関わる実践者・研究者の協力を得て、「日本版ユースカウンシル」の開発に取り組み、その内容を「わかもののまちのつくり方」として、ひとつのハンドブックにまとめた。ハンドブックの普及を目的に、スウェーデンで実際にユースカウンシルで活動をしている若者およびユースワーカーを招いた全国フォーラムも開催。

島根大学行政学ゼミ(島根県松江市) 松江西高等学校の生徒達(1年5組、27人)が「主権者教育」の一環として、半年以上をかけて高校生目線での「まちづくり案」(=西校マニフェスト)を作成。最終的には、松江市議会議員を前に提言、そして意見交換を行った。特筆すべきは、この過程に、島根大学の学生が全面的にコミットした点。具体的には、法文学部法経学科「行政学ゼミ」生が主導し、政治系サークル「ポリレンジャー」がサポートした。

岡山県立新見高等学校
主権者教育の中心的な学習として新見市議会への陳情活動を実施。陳情活動開始のガイダンスとして、新見市議会事務局職員からの新見市の現状や課題,陳情の方法を学習。その後,冬季休業期間を利用し,生徒が「地域住民の願い」(意見・アイデア)をインタビューを行い、休業空けからグループワークを行い、陳情書を作成し、新見市議会の常任委員会に5つ請願を提出。審議過程において委員会での主旨説明として生徒が行った。5つの陳情のうち,2つが採用されることとなった。