第14回受賞結果

※受賞団体・個人名の下段は、審査委員講評を記載しています
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■マニフェスト大賞

グランプリ

 

龍円あいり(東京都議会議員)

 

■マニフェスト推進賞<首長部門> 

最優秀賞

園田裕史(長崎県 大村市長)
 2015年の市長選出馬に際してマニフェスト2015を発表。これまでの4年間において、定期的に進捗報告書を作成して全戸配布した。また、日々の公務や政策など継続してSNS でも情報発信に努め、広く市民に周知した。
 マニフェストに掲げた全27項目のうち、子育て支援策、福祉保健の充実、都市インフラ整備、新たな財源確保策など、政策達成率は約9割に上ることは高く評価できる。
 本年10月の出馬に際しては、4年間の最終報告書とともに次期マニフェストを作成、発表した。
 県内13市の中で唯一人口増加を続ける大村市の今後の発展に期待したい。

審査委員会
特別賞

越田謙治郎(兵庫県 川西市長)
 1期目のマニフェスト策定にあたって、選挙の約半年前から市民との対話を通じてマニフェストを策定することを発表。産業、子育て、医療など各分野に関わる当事者市民や専門家を巻き込みながら策定を進めたことによって、選挙の判断ツールという概念を超え、市民の当事者意識、政治参加意識の醸成も図るツールになっただけでなく、就任後は議会の場においてもマニフェストを議論の基軸にするなど、自身のマニフェストを市の羅針盤としたことが高く評価できる。
 また、マニフェストでは実施期限を明確に設定したことで、市長就任が10月という時期ながら、翌年度予算編成への反映も図られるなど、施策実現に対するスピード対応も評価できる。
優秀賞

神達岳志(茨城県 常総市長)
 2015年に鬼怒川の堤防が決壊。市域の1/3が浸水し、7,800軒以上の甚大な住宅被害を受けた。生まれ育った大切なふるさとを取り戻したい一心で、マニフェストを掲げ市長選へ出馬し当選。
 マニフェストのなかでは「防災先進まちづくり」を柱の一つに、防災先進都市を掲げて防災教育等に取り組み、災害を連想して自分自身が行動計画を立案するマイ・タイムラインの普及や、鬼怒川の堤防強化に向けた鬼怒川緊急対策プロジェクトに取り組むなど、マニフェストに掲げた政策を徹底して実行するなど評価できる。
優秀賞

井崎義治(千葉県 流山市長)
 2003年以来、これまで策定したマニフェストについて概要版チラシとウェブ公開で広く市民周知を図ってきた。
 マニフェストの基軸となる経営方針5つを打ち出し、それに関連付けて施策事業が掲げられている。マニフェストについては部局長に読んでもらい、総合計画策定時や実施計画ローリング(見直し)時に施策事業に反映させ、進捗確認、目標達成に向けたマネジメントを行っている。
 2015年再選以後、健全財政維持条例、広告物条例、市民投票条例の制定のほか、高度地区における絶対高さ制限の導入など、マニフェストの5つの経営方針に基づき政策の具現化を着実に図っていることは評価できる。
優秀賞

小紫雅史(奈良県 生駒市長)
 2015年の市長選で掲げた1期目のマニフェストでは、職員との対話を重ねマニフェストを数値目標も含む形で総合計画に落とし込み、庁内の推進体制の整備と徹底した進捗管理、人評価との連動などにより、高い水準でマニフェストの実現を図っている。
 2期目のマニフェスト「生駒市民とこむらさき雅史の「協創」によるマニフェスト~市制50周年とその先を見据えた政策集(IKOMA NEXT 50)」では、市民5名さえ集まれれば開催することができるランチ会やティーミーティングを約100回重ねるなど、徹底した対話で生活者視点の内容を多く含む点が評価できる。

 

■マニフェスト推進賞<議会部門> 

最優秀賞

那須塩原市議会(栃木県 那須塩原市)
 議会基本条例の制定から5年の経過を機に、議会としてその検証に取り組んだ。議会基本条例は、議会が住民に示す議会のミッションステートメントであり、住民との約束としての意義をもつ。つまり「議会のマニフェスト」と位置づけることができる。そのマニフェストのPDCA サイクルを回す取り組みである。
 議会活動については何を実施したかというアウトプットの観点で、まずはとられられることも多いが、同市議会では検証の結果「議会活動全体のアウトカム」に係る課題を確認していることが特徴である。そして、その課題を解決していくために「平成31年度那須塩原市議会取組実行計画」が策定され、実行に取り組まれていることが高く評価される。
優秀賞

林田久充(滋賀県 甲賀市議会議長)
 2017年11月の議長就任にあたっての所信表明にもとづいて、議会の諸改革を進めた。「議長マニフェスト」にもとづく議会の改革サイクルのモデルというべき取り組みである。まず、議会改革推進特別委員会を再設置して議会基本条例の検証を進め、甲賀市議会議員政治倫理条例を制定している。議会の審議においては、決算審査と予算審査の連動、予算と計画の連動の明示を推進するとともに、審議環境の強化のために議会のICT 化を進めるなどの取組を推進した。
質問力の向上や専門的知見を活用するための大学との連携も実現している。
 慣例による1年ごとの議長交代を意識して、スピード感をもって取り組んだことが成果に結びついており高く評価できる。なお、同氏は翌年に再度議長に選出され、さらに改革が推進されつつある。
優秀賞

小布施町議会(長野県 小布施町)
 2019年の町議会議員選挙が無投票となり、選挙公報が発行されず、議員の公約が町民に周知されることなく新しい任期の議会がスタートした。そのため、「有権者の知る権利と有権者に思いを伝えたいと考えて選挙公報を製作した立候補者の思い」を、無投票でも公表する必要を認識し、7月に発行された改選後最初の議会広報に、選挙公報に掲載される予定であった議員(候補)の公約をすべて掲載した。該当ページには「公約を果たしているかどうか、これからの1期4年間有権者はチェックしていただきたい」とのメッセージが記されている。無投票になったとしても議員選挙における「マニフェストサイクル」の最低限の機能を確保しようとする試みとして評価される。
優秀賞

手話推進議員連盟(東京都 豊島区)
 手話推進議員連盟は「手話言語法」「情報・コミュニケーション法」等の制定を働きかけ、聴覚障がい者の人権の尊重と共生社会の実現を目指して2018年に結成された。発足準備段階から聴覚障害者協会の方との意見交換を重ね、全国に3名のみの聴覚障がいのある議員の参加も得た。法制定の後押しに繋がる、「手話言語条例」「情報コミュニケーション条例」制定を推進しているが、先行条例の一部にみられた、当事者の参加なしに制定してしまうことによる不十分さを認識し、手話推進を当事者とともに進めるという姿勢を一貫し、議連の中に聴覚障がい当事者が加わっているだけでなく、啓発イベントも当事者が実行委員として加わる方式で活動がなされている点が高く評価される。
優秀賞

よこすか未来会議(神奈川県 横須賀市)
 改選前の政策立案のための共同調査活動などを背景に、2019年4月の改選後新人も加わって「よこすか未来会議」が結成された。会派は共通の理念によって結びつき、あるべき政策を実現していくためにあるという考えのもと、会派結成後最初の取り組みとしてマニフェストの作成に取り組んだ。作成にあたっては各議員の選挙時の公約を持ち寄るだけでなく、2回の広聴会や、各種団体との意見交換を行って市民の意見の反映に努めている。選挙に向けてのマニフェストではないが、選挙後に当選した議員のなかで会派形成をすることも議会政治の実態の一側面であり、そこにも、マニフェストにもとづいた政策を基軸とした政治が実現できることを示した点で注目に値する取り組みである。

 

■マニフェスト推進賞<市民部門> 

最優秀賞

信せんだい未来会議(宮城県 仙台市)
 約800名の若者から仙台のまちづくりに対する意見を集めて、「仙台若者ビジョン提言書」にまとめ、立候補予定者に届ける活動を行っている。市長選のみならず、市議選においても積極的に政策提案を行い、立候補予定者の9割に当たる計63名に提言書を渡し議論したことは特筆に値する。市議選においては、公開質問状の実施や立候補予定者とのトークイベントなども開催し、全国紙に取り上げられるなど反響を呼んだ。政令指定都市という大都市において、ムーブメントのレベルまで活動を広げた点が評価できる。その後、市民の諮問機関として「若者会議」が設立され、若者の提案が市の事業として予算化される仕組みにつながったことも、活動の成果の延長として捉えられるだろう。
優秀賞

けんみん会議(埼玉県)
 教員を中心とする実践者が集まり、実際の政治を題材とした主権者教育の学びの場づくりや若者の政治参画支援を行っている。学校現場で実際の政治を取り扱うことがタブー視される我が国において、先駆的な実践をする教員を招いて模擬授業を行い、教員同士で学び合う会を重ねている点がユニークである。そこで培ったノウハウを、短い動画にして公開し誰もが利用できるようにしている点も優れている。教材としての質も高い。質問づくりのワークショップを行い、実際の公開討論会で活用するなどの活動も行っている。現実の政治との接点が不可欠といえる主権者教育において、学校と地域での学びの往復を、教員が核となることで高いレベルで実現している好事例といえる。
優秀賞

福井のママと福井新聞社でつくる子育てグループ「ふくまむ」(福井県 福井市)
 育児中のママと新聞社で設立したというユニークな成り立ちの子育てグループ。育休中は平日日中に開催される議会を傍聴するチャンス、と捉えて、「初めての傍聴」に挑戦することでママたちに政治への関心や当事者意識を持ってもらおうという発想がおもしろい。福井市議会が18歳未満の傍聴席への入室を禁じていたのに対し、議長宛に要望書を提出し、許可を得て、母親12人が参加した。参加者には好評で他にも希望者が出るなど広がりを見せたが、議会側の反応は「集中できない」「議事が聞こえない」などで子連れの入場は再び禁止に。グループからは、乳幼児連れでも傍聴できる環境整備を求める要望を提出するなど、かえってママたちの主体的な行動の呼び水となっている。
優秀賞

みちくさくらす(東京都 新宿区)
 子育て中の夫婦が空き家をセルフリノベーションし、1階はシェアキッチン、2階は子どもが放課後に気軽に立ち寄れる居場所として開放している。1階でまちの人々の手作りのご飯が食べられること、2階に子どもたちが集まること、が求心力となって、さまざまなイベントが開催され、地域の人々が日常的に集まるにぎわいの拠点となっている。夫婦の小さな取組が、新宿区という都心で、心温まる地域のコミュニケーションを生み出していることに驚きが隠せない。行政が大型の公共施設の整備・運営するのではなく、小さな手作りの公共的な空間が、地域のあちこちで自発的に立ち上がることで、多様な住民のニーズを満たしていく、新しい公共のあり方の可能性を示している。
優秀賞

一般社団法人日本若者協議会(東京都)
 39歳以下を若者と定義し、個人会員約270名、団体会員55団体の意見を政策提言につなげている。スウェーデンの制度をもとに、若者が意見を発信するだけでなく、若者の代表が政党や政府と交渉を行うことまでを目指した活動を展開している点が、他の若者団体と一線を画している。「日本版ユース・パーラメント(若者議会)」として、若者と議員の公開討論のイベントを開催しており、主要6政党すべてに直接政策提言を行い、各党の公約に反映された。現在、超党派の若者政策推進議連と連携し、被選挙権年齢を18歳に引き下げるキャンペーンを実施しており、全国の高校・大学を回って1,000名規模の意見を集めている。まさに若い力で時代を切り開くインパクトを発揮する団体といえる。

 

■成果賞

最優秀賞 西脇市議会総務産業常任委員会(兵庫県 西脇市)
 首長等と政策競争する議会にとって、委員会の活動が鍵となる。総務産業常任委員会は、縮小社会の中での「理想のバス交通」を提言した。交通に不安を持つ住民が多かったためである。
 その提言にあたって、実地調査、視察とともに、議会報告合による意見聴取、地域との意見交換会、など積極的な活動を行った。
 理想の路線図や運行形態を提案した。住民との意見交換会等を踏まえた提案であるため現実的である。成果として、西脇市地域公共交通網形成計画に「大きく反映された」。
 全国的に広がっている議会からの政策サイクルとしての成果である。
優秀賞

市民ネットワークちば(千葉県 千葉市)
 今日、夜間中学校を必要とする人は増加している。従来から要請されている義務教育を終了していない人だけではない。形式卒業者(文科省の通知)、日本語を母国語としない人、およびフリースクールに行っていない人の増加だ。この要請に積極的に応えたのが市民ネットワークちばである。
 先駆的な動向の調査とともに、千葉市議会での活動である。市議会では、公設夜間中学校開設にむけた質問をするとともに、開設に向けての積極的な答弁を「教育委員会」から引き出している。「成果」として、公設されていない段階でも、自主的な夜間中学校を運営していることがあげられる。公設に向けた下支えとなっている。今後の全国的な広がりを期待する意味でも大いに評価されてよい。
優秀賞

網地島ふるさと楽好(宮城県 石巻市)
 ふるさと楽好(がっこう)は、石巻市網地島網地浜の地域貢献活動である。虐待された子供や震災で両親を亡くした子供を元気づけたいとして、毎年夏に招待し、地元のお年寄りと島の食を体験するものである。ちなみに、この地は子供が一人もいない「限界集落」である。
 子どもたちの心の傷を埋める、島のお年寄りの誇りを取り戻す、全国から集まったボランティアがこれらの子供たちと接する機会を提供する、小学生の子供が高校生になっても来るなど新たな絆を生み出す、といった効果がある。訪れたことのある子供たちから震災時に励ましの手紙をもらい、復興に向かう「勇気をもらった」とのことである。
行政の力を借りず、自らの力で開校している。すでに、「朝日のびのび教育賞」(朝日新聞、団体表彰)、第10回第14回「ニューエルダーシティズン大賞」(読売新聞、代表者個人表彰)も受賞している。
優秀賞

北上市議会(岩手県 北上市)
 議員報酬・定数については、明確な基準があるわけではない。それぞれの議会で、そのポリシーを示すことが必要である。北上市議会は、住民とともに報酬・定数を考え、報酬を次期選挙から5万円増額する条例改正を行った。成果である。
 「議員を志す人誰もが立候補できる環境」を整備することを目的としている。今後の地域経営を担う議員の活動条件を探ることでもある。
 その際、特別委員会での調査研究とともに、このテーマでの住民・団体との意見交換会、専門的知見を活用した意見集約、市民フォーラムでの経過の公表、といった一連の過程を経て、最終案をまとめた(報酬増額、定数維持)。
 今後の議会活動を担う条件を住民と考え、「成果」をだした。削減傾向が蔓延していた状況の反転のための先駆的な活動である。
優秀賞

林敏宏(岡山県 岡山市議会議員)
 用水路への転落事故が多い岡山市で、独自調査や対策の具体的な提案を行った。成果として、3年間で8億円を超える予算が投入され対処療法型から予防型対策へと転換させ、年平均死者数を13人から4人まで減らした。しかも、この予防型対策にあたっては、町内会等の協力による危険個所一斉調査など、地域協働を進めた。
 また、この岡山市での動向は、同様に用水路への転落事故の多い倉敷市議会でも取り上げられ、同様な事業化が決定した。これも成果である。まさに、水平展開であり、「善政競争」といえる。

 

■政策提言賞 

最優秀賞

龍円あいり(東京都議会議員)
 障がい児を育てるシングルマザー議員である立場から、以下の3つの提言を行った。第一に、障がいの有無に関わらず、子ども達が共に遊ぶことのできる「インクルーシブ公園」を提案。今年度末に都立砧公園で実現する予定である。第二に、子連れで安心して電車移動ができるように、車両内に「子育て応援スペース」を提案。要望書を都知事に提出して、本年7月に、都営地下鉄大江戸線に「子育て応援スペース」が設置されて運行が開始された。第三に、仕事や育児等に忙しい世代も政治参加して意思を示せるように、ネット環境を活用した「親指で政治参画するICT 活用」を提案した。
 ママ達の声に基づく貴重な提言になっている。そして、3つの提案のうち2つは実現に向けて動き出している。その行動力も高く評価したい。

審査委員会
特別賞

鳥栖市議会(佐賀県 鳥栖市)

 全ての子どもは、障害のあるなしにかかわらず、安心して共に学び、共に成長することができる平等の権利を有する。
この理念を具現化するため、鳥栖市議会では、「共に学び成長する子ども条例」を可決した。具体的には、適切な保育・教育環境を整えて、特別支援学校にとどまらない学びの選択肢を示し、成長する機会を提供するというものだ。
この条例案づくりは、2018年10月の有志による条例調査研究会の立ち上げから始まった。その後、20回以上研究会を開いて、市民との意見交換などを行った。
 この条例によって、障害をもつ子供たちが学びの場を選択できるように、市は環境づくりに取り組むことが求められる。今後、具体的な成果を示して、全国のモデルとなることを期待したい。
優秀賞

千厩100人女子会(岩手県 一関市)
 中心商業地であった千厩(せんまや)駅前は、郊外の大型店舗の進出などによって、空き店舗や空き家が増えて、住民交流の場としての機能が衰えた。そこで、「まちを元気にする」ことを目的に、10代から70代までの女子による「千厩100人女子会」を開いてアイデアを募った。そして、社会実験の取り組みとして、空き店舗を活用して、駅前に学生の集まるスペースを無料開放することや、販売機会を設けて小さなビジネスをつなげるチャレンジスペースなどの提供が2か月間行われた。
 楽しみながら地域づくりをしている様子が伝わってくる。また、この女子会が中心になって、自治会や商店街、社会福祉協議会などの多様な主体を巻き込んでいる点は興味深い。今後の一層の成果を期待したい。
優秀賞

村山祥栄・江村理紗(京都府 京都市会議員)
 京都の観光客数は、3年連続で年間5,500万人を超え、交通渋滞が大きな課題となっている。そこで、大型輸送手段として地下に新型環状線を整備することを提言。コストを抑える為に、大型水道管のシールド工事の技法を駆使し、口径を小さくする。また、車両は、完全自動運転の電気シャトルを用いる。駅は改札等を排除して簡素化された駅舎とする。一方、建設費として約1,800億円を要するが、国の補助金や民間との共同出資で充当する。さらに、返済原資は観光客からの宿泊税を投入することで、市民負担ゼロになるという。
 多額の資金を要するプロジェクトになので、今後、費用対効果や採算などの面で更なる精査をして、実現可能性を高めることが必要になろう。交通渋滞に悩む他の地域にも参考になることを期待したい。
優秀賞

竹之内則夫(公明党岡山市議団)
 地方創生時代における地方議員のあり方を自らに問い、「政策を手にフィールドに立つ」という在り方を示し、実践した。具体的には、集落ごとの将来人口の推計を示して、住民の危機感や認識を共有。また、全世帯・全世代を対象にした地域ごとの意識調査を実施する。さらに、「議会とフィールドの往復作業」を積み重ねて、地域のニーズと行政による事業メニューをつないで、重点課題の解決を図っていく。
 議会で提案しても動かなければ、議員自らがアンケート調査などの実態調査に乗り出している。こうした積極的な姿勢を評価したい。今後、各地域でどのような地域づくりが行われていくのか、期待したい。

 

■コミュニケーション戦略賞 

最優秀賞

株式会社阿部長商店 南三陸ホテル観洋(宮城県)
 「KATARIBE を世界へ」をキーワードに、交流人口拡大や地域活性化、語り部間のネットワークの連携拡大に取り組む。東日本大震災後に始まり、東北、関西、熊本で全国語り部シンポジウム・地域ごとのフォーラムを実現している。
 災害は時間の経過とともに記憶の風化が進むが、地域の独自性を秘めた教訓として伝承するほか、「語り部と聞き手」の関係だけでなく、「語り部と語り部」の相互交流の場になっているのが特徴。「震災の伝承」にとどまらず、「防災・減災」の観点から「被災地と未災地」もつなぐ。交流、学びの場になり、交流人口増加のきっかけになっており、「継続は力なり」を身をもって示している。
優秀賞

NPO法人 Mielka(京都府 京都市)
 2019年7月の参院選に際して、情報可視化サイト「JAPAN CHOICE」を開発・公開した。自民・公明党の公約の達成度の独自評価や、行政予算変遷の可視化など、より深く政治を理解し、投票行動に反映させられるような独自の視点を取り入れ、2017年衆院選時の同サイトをバージョンアップ。
 「投票ナビ」は18の選択式の質問に答えると、自分の政策に対する志向と各政党の公約との一致度を図り、投票行動の決定を補助するサービス。膨大な政党の公約を読み込み、理解した上で比較検討するのは容易なことではないが、ある意味で気軽にトライできる。特に若者の政治への関心や投票率の向上に寄与するサイトだろう。
優秀賞

NPO法人 ガベルサポーターズ(埼玉県 さいたま市)
 「日本の刑務所ではボランティアはできない」と言われたが、粘り強い交渉と試行錯誤の結果、刑務所長と協定書を結び、2016年3月から川越少年刑務所で月2回のボランティア活動をしている。海外で使われているコミュニケーション・プログラムを日本の刑事司法制度に合わせて「就労支援のための話し方講座」に改良して使用。少年院出院者対象の講座も行っている。
 昨年NPO を設立し、会員は60人超。多彩なメンバーで構成されるゆるい組織で、寛容性の高さが特徴だという。ボランティアメンバーには元受刑者もいる。再犯を防ぎ、安全でやり直しのできる社会構築に向けた信念は尊さを感じさせる。
優秀賞

公立芽室病院(北海道 芽室町)
 議会改革の先進地として知られる芽室町議会の改革手法を取り入れながら公立病院の経営改革に邁進中。キックオフとして「地域医療フォーラム」を開催し、経営改革を宣言、病院ホームページのリニューアル、フェイスブックの開設、外部コンサルタントの導入などを実施するとともに病院内では医師や看護科、診療技術科、事務の各部署内・部署間での対話を促進している。
 さらに全医師と議会議員との対話、病院スタッフの参加による「病院まつり」の開催など、経営の見える化を推進。1年で経営もわずかながら改善した。このような取組みは、住民の間に「地域の必要な病院」であるという意識の醸成につながるはずだ。
優秀賞

宮下ゆみこ(北海道 月形町議会議員)
 議員のなり手不足解消と議会の多様性確保のため、候補者とごく少数の支援者による「人手と費用を抑えた選挙」を実施、その手法を公開した。①ワンオペ選挙運動(候補者のみによる街頭演説中心の選挙運動)②軽トラック活用(町村議員選挙のみに使用が許可された軽トラックの活用アイデア)③選挙費用公開(選管提出用収支報告書だけでなく、実際にかかった費用と公職選挙法の解説)の3点で、志を持った人が周りへの影響を最小限に抑えて立候補できる手法だ。町村を中心に議員のなり手不足が深刻化しているが、選挙に挑戦するハードルを低くする。一人で運転しながら、インカムマイクで呼び掛けるのは大変だろうが全国に広がってほしい取組み。

 

■特別審査委員による特別賞

特別賞

箭内道彦 選

   今関明子・福本靖・樫野孝人(兵庫県)

特別賞

秋吉久美子 選

ARTLOGUE(大阪府)