第2回受賞結果
■マニフェスト大賞 地方議会部門
区分 | 都道府県名 | 自治体名 | 名前 |
最優秀賞 | 福井県 | 福井県 |
福井県県民連合 議員提出条例の代表が、福井県議会の「県民連合」(6人会派)であり、政治倫理条例を成立させた。議員が深く関わっている建設会社は公共事業の請負を自粛すべきというものである。今後、この種の「利益相反」が起こりうる地方議会の改革を行う例はもって出てくるべきで、それは、地方議会改革のきわめて重要な一歩と思われる。 |
ノミネート | 群馬県 | 群馬県 |
中村紀雄 中村紀雄(群馬県議会)が行った議員提出条例は、「県営住宅から暴力団を排除する条例」の制定である。 |
ノミネート | 神奈川県 | 神奈川県 |
松田良昭 松田良昭(神奈川県議会)が書いた「議長マニフェスト」である。それは、一般の選挙におけるマニフェストではなく、議長選挙において、議会改革の具体案(議会基本条例制定や議会局の強化など)を訴えて選出されたものである。議長から始める議会改革の最初の事例として注目されるべきものである。 |
ノミネート | 神奈川県 | 葉山町 |
新葉クラブ 新葉クラブ(葉山町議会)は子育て支援センターの準備委員会、発達支援システム検討委員会の設置に努力した。 |
ノミネート | 広島県 | 安芸高田市 |
あきの会 「あきの会」(安芸高田市議会)も議会基本条例をめざす「議会改革特別委員会」の設置を行った。 |
■最優秀成果賞
区分 | 都道府県名 | 自治体名 | 名前 |
最優秀賞 | 北海道 | 福島町 |
福島町議会 2年続けてのノミネート。議員評価に「目標(公約)」を加えて実効性を高めたり、議会の夜間・土曜開催、平日投票等を推進。昨年度審査委員特別賞の「開かれた議会づくり」をさらに数歩進めた取組みが高評価を得た。 |
最優秀賞 | 静岡県 | 静岡市 |
静政会 会派が考える市の将来像について、目標年次付で具体的な政策を提示。市長のマニフェスト項目との対応関係を表に整理し実現ステップを示した。首長側と議会側が政策論議するための土台となる取組みとして評価を得た。 |
特別賞 | 長野県 | 飯田市 |
飯田市議会 議会からは反発する場合が多い自治基本条例を、議会提案によって全会一致で可決。そこに至る、市民会議の設置や市内各地での説明会、パブリックコメントやシンポジウムの開催等、市民を巻き込んだ制定過程にも注目。 |
特別賞 | 三重県 | 三重県 |
三重県議会 都道府県ではじめて議会基本条例を制定。県レベルで議会として一つにまとまり条例制定にこぎ着けたことに審査委員から驚嘆の声も出た。全国の議会改革を先導する数々の改革の積み重ねがあればこそ、の成果といえる。 |
ノミネート | 東京都 | 渋谷区 |
長谷部健 NPO、企業、行政等によるプロジェクトチームを設立し、区長に直接事業企画を提案する仕組みを構築。プロスポーツチームとの協働やアダプトプログラム、地域通貨など都心区らしい事業に結びついた点が評価された。 |
ノミネート | 東京都 | 東大和市 |
小林知久 とかく読みにくく見過ごされがちの議会報を、読者の視点から全面リニューアル。議会報を「広報」のツールと位置づけ、議会と住民の距離を近づけるものとして周知し、議員の意識改革につなげている点も注目に値する。 |
■最優秀アイデア賞
区分 | 都道府県名 | 自治体名 | 名前 |
最優秀賞 | 東京都 | 渋谷区 |
長谷部健
シブヤロハスプロジェクト
ロハスとは、健康と地球環境に配慮した生活スタイルをいう。人々のロハスに対する意識を高めるために、区が中心となった一体感のあるプロモーションが提案されている。例えば、ロゴマークの設置、清掃作業服や清掃車の色の統一、ロハスの取り組みを進める企業やNPOの見本市(シブヤロハスウィーク)開催、住宅地における配送トラックの進入を制限する「ロハス特区」の提案などである。一体感のあるプロモーションが、住民に「つながるイメージ」をもたせ、それがロハスへの意識を高めていくという発想がユニークだ。
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最優秀賞 | 大阪府 | 摂津市 |
嶋野浩一朗
CSR定着に向けた諸施策
指名業者登録の際に、行政機関が各企業のCSRへの取り組み状況を聴取し、入札時に勘案するという提案は、企業の取り組みを促す有効な方法になりうる。しかもCSRには、環境面のみならず、各企業における男女平等に向けた取り組みや、ワークライフバランス施策の導入なども含まれ、社会へのインパクトも大きい。他方で、CSRを検討する企業に専門家を派遣することも提案されている。企業に導入を促すだけでなく、中小企業を前提にした支援対策も視野に入っている。先進事例となって全国に広がることを期待したい。
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ノミネート | 新潟県 | 神林村 |
瀬賀秀雄
合併旧町村の巡回による本会議開催
自治体の統合・再編によって本庁舎から遠くなる地域住民も多い。そこで、住民が新議会を身近に感じられるように、本会議開催地を旧自治体ごとに定期的に巡回させることが提案されている。ここには、議会と住民の接点を大切にしたいという思いがある。コストをかけないため、体育館を議場にして長椅子を置くことも考えられている。新議会の巡回の際に、住民が議会への関心を深められる工夫にも期待したい。
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ノミネート | 東京都 | 東久留米市 |
富田竜馬
決算剰余金の還付(減税)制度
決算剰余金が発生した場合、それを住民に還付するという提案はユニークだ。ここには、剰余金の還付も一種のサービスという考え方がある。ただし、地方財政が窮する中で、剰余金を住民に還付するのが良いか、あるいは別の行政サービスの充実に使うのが良いかは、意見が分かれるところであろう。行政機構の中に、無駄を排除する仕組みをいかに構築していくかという視点も重要になるだろう。
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ノミネート | 山口県 | 山口県 |
岡村精二
大規模災害発生時における早期設置型簡易住宅の備蓄
災害が起きてから仮設住宅を設置するのでは、時間がかかるし、設置場所や戸数の確定が難しい。そこで、狭くてもとりあえず家族のプライバシーが確保できる「早期設置型簡易住宅」の備蓄が提案されている。長期にわたる体育館での避難生活を回避したいという思いからの提案であり、関心が高いだろう。他方で、費用対効果や、他の代替手段との比較などから、その有効性を示すことも重要になろう。
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■ベストホームページ賞
区分 | 都道府県名 | 自治体名 | 名前 |
最優秀賞 | 神奈川県 | 藤沢市 |
原輝雄 自らの活動についてとてもわかりやすく発信している。「私の通信簿」など整理の仕方がうまい。他市の事例なども引用して説明が客観的で丁寧、政務調査費の報告や議案に対する賛否など情報量が多く、更新頻度が高い。 |
最優秀賞 | 京都府 | 京都府 |
民主党京都府総支部連合会 サイトデザインが極めて斬新。「京都スタイル」と題するマニフェストを育、学、安、環、働、公、議の7項目に整理し、とても見やすい。コンテンツをマニフェストに特化しているが、府議会や府政の情報も入れてほしい。 |
特別賞 | 三重県 | 三重県 |
三重県議会
情報量は豊富で、よく整理されている。会議録の検索機能や議会の映像中継、音声による「議会だより」、議会用語の解説など随所に県民との距離を縮める工夫を凝らしている。議会サイトのモデル完成まで一層の努力を。
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ノミネート | 北海道 | 福島町 |
福島町議会 議会全体が町民に対して真摯に向き合っている姿勢がよく現れている。議会の情報はほぼ網羅的に盛り込まれており、とくに議会改革の取り組みや成果が詳しい。議員活動の自己評価も面白い。選挙公報の掲載も価値ある。 |
ノミネート | 岩手県 | 岩手県 |
高橋博之 「日々是好日」の日記は内容が濃く、一生懸命に書いている様子が伝わる。コラムや各種報告などサイトの整理もよい。県政や議会が抱える課題や全体状況についてもう少し書き込むとより読者を引き付けるサイトになる。 |
ノミネート | 岩手県 | 岩手県 |
高橋雪文 議員マニフェストを中心にサイト構成している。選挙から2年後、マニフェストに対する議員活動の評価に挑戦しているのが特徴的。身内の採点ではあるが、本人の解説も付けて懸命に取り組んでいる姿勢はよく出ている。 |
ノミネート | 神奈川県 | 横須賀市 |
藤野英明
市民派議員らしい個性的なメッセージ発信型のサイト。面白く読ませてくれる。議会活動報告が詳しく、議会全体の雰囲気がよくわかる。選挙資金・政務調査費などの会計報告、議案賛否など基本情報もきちんとしている。
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ノミネート | 静岡県 | 静岡市 |
静政会 最大会派のサイト。会派の政策を市長への提言書としてまとめ、会派のスタンスや政策を明確にしているところが素晴らしい。活動報告は視察報告が中心。市議会や市政の情報も入れて、もう少し更新頻度を高めてほしい。 |
ノミネート | 静岡県 | 浜松市 |
鈴木恵 市民に語りかけるやさしい感じが特徴的なサイト。手づくり感のある個性的な整理法が光る。子育て、福祉、女性といったテーマを中心に、独自の主張と政策を「浜松Happy化計画」にまとめて発信している。読ませる。 |
■グッド・マニフェスト賞(マニフェストを読んで選挙に行こう。特別賞)
区分 | 都道府県名 | 自治体名 | 名前 |
特別賞 | 京都府 | 京都府 |
熊谷哲 4年前の公約77項目について成績表(4段階で検証)を盛り込んでいるのが特徴。首長選マニフェストと思えるほど政策が豊富だが、議員個人では確約できないことも多いはず。実現に向けたプロセスも望みたい。 |
特別賞 | 兵庫県 | 神戸市 |
住民投票☆市民力 読みやすさにこだわった雑誌型マニフェスト。「神戸沈没!?」などドキッとする見出しの一方、クイズもあり思わずページをめくってしまう。市民力・持続可能性など5つの政策の柱と候補者の思いが自然に重なる構成は秀逸。 |
特別賞 | 徳島県 | 徳島県 |
民主党徳島県総支部連合会 「すべては、子どもたちのために」と銘打った冊子型のマニフェスト。子どもたちに焦点化し、「学ぶ」「守る」「つなぐ」「つくる」の観点から政策を提示した手法は見事。漢字にすべてルビを振っているのも読み手に優しい。 |
ノミネート | 千葉県 | 流山市 |
新世会 市民を交えたタウンミーティングを開き、3年がかりで作成した本格的な会派マニフェスト。理念-ビジョン-重点政策と体系だったマニフェストで数値目標・期限・工程・財源を明記しているのは画期的。 |
ノミネート | 東京都 | 渋谷区 |
長谷部健 タブロイド判の新聞風マニフェスト。広告会社出身だけにデザインセンスが抜群。4年前に考えたこと、4年間の議員活動の成果、これから取り組みたいこと、が自然に伝わる。議員の顔が文字通り見える安心感がある。 |
ノミネート | 京都府 | 京都府 |
民主党京都府総支部連合会 1年以上議論し、ブラッシュアップしてきたことが体感できるマニフェスト。4年後にめざす京都のかたちをグラフや図を駆使しながら分かりやすく提示。マニフェスト・サイクルの確立をうたっていることも好感が持てる。 |
■マニフェスト大賞 首長部門
区分 | 都道府県名 | 自治体名 | 名前 |
最優秀賞 | 神奈川県 | 神奈川県 |
松沢成文 今回のマニフェストは、作成過程への県民参加や配付のあり方に始まり、内容的にも11本の条例制定の公約、高い数値目標率などさらに斬新かつ完成度の高いものとなった。部局長マニフェストなど実現・評価体制においてマニフェスト・サイクルも徹底している。県議会での「議長マニフェスト」の登場などの波及も特筆される。なお、出版・国際交流などマニフェスト普及への努力も目立つ。 |
特別賞 | 岩手県 | 奥州市 |
相原正明 決意、基本姿勢、戦略目標、政策宣言という構成、政策宣言における目標・方法・期限・財源の明示と合併選挙を意識した全体編・地区別編での提示など、決して派手ではないがマニフェストのひとつの模範となるものを示し、住民の信を得た。その後実現のための専任体制、進捗状況の公表など、地道な努力もさわやかである。議員を含め、地域へのローカルマニフェストの浸透という効果も生まれている。 |
特別賞 | 宮崎県 | 宮崎県 |
東国原英夫 選挙もマニフェストも初めてであったが、訴求力の高いメッセージで、マニフェストが政治への信頼に直結することを鮮明に示し、マニフェストへの新たな注目を呼んだ。期限・数値目標の要素に適切に配慮し、「部局マニフェストの強化」、「情報公開」をマニフェストそのものに盛り込むなど、マニフェスト・サイクルにも神経を使っており評価できる。 |
ノミネート | 山形県 | 山形県 |
齋藤弘 政策実現のしくみ、実行過程の公表、進捗度評価など万遍なくきめの細かい手当がされ、マニフェスト推進への造詣の深さをうかがい知ることができる。評価結果の分かりやすい公表が印象的である。 |
ノミネート | 岩手県 | 宮古市 |
熊坂義裕 マニフェストへの深い理解が財源の明示のし方などに表われている。実行に当たり、NPM(新公共経営)に基づく組織のフラット化、PPP、自治基本条例などを積極的に取り入れているのが特徴である。 |
ノミネート | 新潟県 | 新潟市 |
篠田昭 合併に際しての『新・新潟市合併マニフェスト』の提示という斬新な発想は、我々に新たな気づきを与えた。自身のマニフェストは、作成過程、目標・財源明示、読みやすさの配慮等不足はなく、その実施体制、評価体制、議会関係なども手堅い。 |
ノミネート | 埼玉県 | 北本市 |
石津賢治 目標設定のあり方は適切であり、また、当選後の実施管理、内部評価に加えての外部評価、議会への対応などにすきもなく、マニフェスト及びその実行のかんどころを心得た実際的な対応が目を引く。 |
ノミネート | 神奈川県 | 横浜市 |
中田宏 「正直な政策集」というとおり、政策を「非自己完結型」「目標数値化自体が適さないもの」等に区分して提示する試みや全政策の財源試算提示などに、約束の重みを強く意識する姿勢が現れている。マニフェストの一つの到達点といえよう。 |
ノミネート | 福岡県 | 八女市 |
野田国義 マニフェストの意義の十分な理解と、幹部の実行宣言(インナーマニフェスト)とその公開、進捗状況報告と公開検証大会への対応などマニフェスト責任への真摯な対応が印象的である。自治基本条例の公約も注目である。 |
ノミネート | 佐賀県 | 佐賀県 |
古川康 第2回目のマニフェストは「ものがたりで読む」ものになった。目標設定は完璧に近く、実現のしくみ、情報公開、評価についても不足がない。議会会派・議員との意見交換に踏み込むなど、引き続きマニフェスト進化の最前線にある。 |