第14回マニフェスト大賞【授賞式】開催報告

公開日 2019年11月20日

日本最大級の政策コンテスト「第14回マニフェスト大賞」授賞式を、2019年11月8日(金)六本木アカデミーヒルズ(東京都港区)にて開催いたしました。

今回、過去最多の応募総数2,619件から選ばれた、30件の優秀賞の取り組みを表彰し、各6部門の最優秀賞を発表しました。
その後、最優秀賞受賞者によるプレゼン、特別賞の発表・表彰を経て、今年度グランプリを決定いたしました。

主催:マニフェスト大賞実行委員会
共催:早稲田大学マニフェスト研究所、毎日新聞社
後援:株式会社共同通信社
協力:公益財団法人明るい選挙推進協会、公益社団法人日本青年会議所

冒頭に、主催挨拶として、マニフェスト大賞実行委員長 前泊美紀(沖縄県那覇市議会議員)より主催者挨拶。

共催社として、毎日新聞社取締役コンテンツ・デジタル総合戦略ご担当 小川一様から共催挨拶を、ご後援社として、共同通信社取締役アグリラボ所長 石井勇人様、協賛社として、株式会社NTTデータ社会基盤ソリューション事業本部デジタルコミュニティ事業部長 古田正雄様と森ビル株式会社取締役常務執行役員 河野雄一郎様からもご挨拶いただきました。

開催にあたり、ご協賛・ご協力いただきました企業は以下のとおり。

株式会社NTTデータ
森ビル株式会社
株式会社メディアドゥホールディングス 

株式会社インフォマート
NTTアドバンステクノロジ株式会社
東京インタープレイ株式会社
株式会社会議録研究所
株式会社図書館総合研究所

 

【最優秀コミュニケーション戦略賞】

政策づくりやまちづくりのために、優れたコミュニケーションの手法やアプローチをとっている取り組みを選ぶ「コミュニケーション戦略賞」最優秀賞は、「株式会社阿部長商店 南三陸ホテル観洋(宮城県)」が選ばれました。「KATARIBEを世界へ」をキーワードに、交流人口拡大や地域活性化、語り部間のネットワークの連携拡大に取り組んでいます。
受賞者は「すべてを失った瞬間からどうやったら取り戻せるかという思いで取り組みを始めた。こうした賞で受賞できたことは、二重ローンなどで苦しむ人たちの力になる」と喜びを語りました。
千葉茂明審査委員から講評として、「防災・減災の観点からの語り部同士の交流や学びの場、交流人口の増加につながっている。継続は力なりを体現している取り組み」と述べました。

■優秀コミュニケーション戦略賞
・NPO法人Mielka(京都府 京都市)
・NPOガベルサポーターズ(埼玉県 さいたま市)
・公立芽室病院(北海道 芽室町)
・宮下ゆみこ(北海道 月形町議会議員)
・株式会社阿部長商店 南三陸ホテル観洋(宮城県)★最優秀賞

 

【最優秀政策提言賞】

マニフェストの有無を問わず、活動を通じて行った政策提言を表彰する「政策提言賞」最優秀賞は、障がいの有無に関わらず子ども達が共に遊ぶ「インクルーシブ公園」などを提案し今年度末の実現を予定している「龍円あいり氏(東京都議会議員)」が選ばれました。
受賞者は今後について、「2年半の議員生活で思う事として、ものごとは1人では進まず、仲間がいることが大切。みなと喜びを分かち合いたい」と語り、さらなるチャレンジを誓いました。 
藤森克彦審査委員は取り組みの講評として、「1つは障害児をもつシングルマザーの目線からの政策提言、2つめは子どもが楽しいスペースの創造、第3に実行力。今後のさらなる政策提言に期待したい」と語りました。
サプライズとして審査委員特別賞には、特別支援学校に関する議員による条例提案・実現の取り組み「鳥栖市議会」の皆様に贈られました。

■優秀政策提言賞
・千厩100人女子会(岩手県 一関市)
・鳥栖市議会(佐賀県 鳥栖市)★審査委員会特別賞
・龍円あいり(東京都議会議員)★最優秀賞
・村山祥栄・江村理紗(京都府 京都市会議員)
・竹之内則夫(公明党岡山市議団)

 

【最優秀成果賞】

マニフェストの有無を問わず、活動を通じて政策を実現させ、成果を出している「成果賞」最優秀賞は、西脇市議会総務産業常任委員会(兵庫県 西脇市)の取り組みが受賞しました。「西脇市にとって公共交通はどうあるべきか」を、現地調査と議論を重ね、議会報告会やまちづくり団体の意見を踏まえ、政策サイクルによって提案をまとめました。
江藤俊明審査委員は、「とても激戦だった。政策サイクルを明確にまわしており、”チーム議会”として素晴らしい取り組みを重ねた。今後、より委員会の重要性が増す中で、理想の交通をテーマにした提案が現実的だったからこそ、執行部側も政策に反映していった。視察も含めて、まさに善政競争だった」と活動の特徴を指摘。さらなる展開に期待を述べました。

■優秀成果賞
・市民ネットワークちば(千葉県 千葉市)
・網地島ふるさと楽好(宮城県 石巻市)
・北上市議会(岩手県 北上市)
・林敏宏(岡山県 岡山市議会議員)
・西脇市議会総務産業常任委員会(兵庫県 西脇市)★最優秀賞

 

【最優秀マニフェスト推進賞<市民部門>】

市民起点で掲げた政策課題を市民運動や政治運動などで推進している取り組みを表彰する「マニフェスト推進賞<市民部門>」最優秀賞は、「せんだい未来会議(宮城県 仙台市)」が選ばれました。若者から仙台のまちづくりに対する意見を集めて政策立案し、「仙台若者ビジョン提言書」にまとめ、市長や市議会各会派、市議選の立候補予定者らへ届けるプロジェクトです。
受賞者は「違和感を感じていたことがあった。地方自治や議会の主語に、市民が不在だったこと。でも仙台ではそういった取り組みが遅れていると感じていた。だからこそ学生や若者が変えていくことが大事と考え、行政や議会に動いていただくよう働きかけてきた。市民が意思を持って変えていくことが大切だと思う」と思いを述べました。
人羅審査委員は「800人の若い人の思いをまとめて政策提言をした。この提案のテーマが広範かつ具体的で、市も注目するものとなった。若い人が政治に働きかける形として先進的と思い評価した」と評しました。

■優秀マニフェスト推進賞<市民部門>
・けんみん会議(埼玉県)
・福井のママと福井新聞社でつくる子育てグループ「ふくまむ」(福井県 福井市)
・みちくさくらす(東京都 新宿区)
・一般社団法人 日本若者協議会(東京都)
・せんだい未来会議(宮城県 仙台市)★最優秀賞

 

【最優秀マニフェスト推進賞<議会部門>】

マニフェストや公約、各種計画に基づいた議会活動が行われ、その検証・改善などマニフェスト・サイクルが推進されている取り組みを選ぶ「マニフェスト推進賞<議会部門>」最優秀賞は、「那須塩原市議会取組実行計画」を策定するなどした「那須塩原市議会」が選ばれました。
受賞者は「県内議会は、まだ議会改革度ランキングで上位を占めるに至っていない。これを契機に、ますます議会改革に力を入れていく呼び水にしていきたい」と意欲を述べました。
曽根審査委員は「選挙でのマニフェストは、個人のものが多かったが、本当は議会がやるべきことはたくさんある。今回の取り組みは、議会の”自己規律”。議会基本条例を出し、検証して、今後やるべきことを含め、自己評価し、第三者評価も含めてなにをやるか。やるべきことは、議会という制度を使って何ができるかを示した。会場の皆さんも工夫をしてほしい」と取り組みを評価しました。

■優秀マニフェスト推進賞<議会部門>
・林田久充(滋賀県 甲賀市議会議長)
・小布施町議会(長野県 小布施町)
・那須塩原市議会(栃木県 那須塩原市)★最優秀賞
・手話推進議員連盟(東京都 豊島区)
・よこすか未来会議(神奈川県 横須賀市)

 

 

【最優秀マニフェスト推進賞<首長部門>】

選挙に際してマニフェストや公約を作成し、それに基づいた行政運営がなされ、マニフェスト・サイクルが推進されている取り組みを表彰する「マニフェスト推進賞<首長部門>」の最優秀賞は、「園田裕史氏(長崎県 大村市長)」が選出されました。2015年の市長選挙に際して発表したマニフェストを年度毎に進捗状況報告書を全戸配布、4年間の任期が終わりを迎えようとしている現在、最終的な報告書と併せて新たなマニフェスト発表しました。 マニフェストの進捗は約9割を達成しています。
受賞者は受賞の喜びとして、「第3回の箭内賞を受賞してから、政治家の道を歩んだと思っている。その頃よりは少しは大人になった。今後もしっかり取り組んでいきたい」と述べました。
北川正恭審査委員長は、「優秀賞の5人とも、誠実に市民と向き合ってマニフェストを提示し、実行し、選挙を『お願いから約束』にし、政策を実行につなげる見本のほうな皆さんの取り組みだった。善政競争をキーワードに、『自分たちもできる』という気持ちで、ぜひ5人の皆さんをマネしてほしいし、そういうモデルになると確信している」と賛意を表しました。
今回は、特別賞として1期目の選挙で素晴らしいマニフェストを策定した「越田謙治郎 (兵庫県 川西市長)氏」が選ばれています。

■優秀マニフェスト推進賞<首長部門>
・越田謙治郎 (兵庫県 川西市長)★審査委員会特別賞
・園田裕史(長崎県 大村市長)★最優秀賞
・神達岳志(茨城県 常総市長)
・井崎義治(千葉県 流山市長)
・小紫雅史(奈良県 生駒市長)

 

【最優秀賞大賞6組によるプレゼンテーション】

各6部門の最優秀賞受賞者によるプレゼンテーション(今年は5分)の時間へ。前泊大賞実行委員長を司会に、受賞者による取り組みをプレゼンアピールしていきました。

 

【特別賞 箭内選・秋吉選】

優秀賞以外にも特徴的な取り組みを表彰する特別審査委員賞は以下の2つ。どちらもマニフェスト推進賞<市民部門>のノミネートに選ばれた取り組みでした。

■箭内道彦選:今関明子・福本靖・樫野孝人(兵庫県)
「子どもたちのために」を共通目標にして、役員や委員の気持ちに共感しながら、PTA会長と校長で取り組んだPTA改革。

■秋吉久美子選:ARTLOGUE(大阪府)
政治家に文化芸術の活動実績やビジョンを「文化芸術マニフェスト」として回答してもらいWEBに公開する取り組み。

 

【グランプリの発表】

プレゼン発表も加味し審査委員による厳正な審査を経て、第14回マニフェスト大賞のグランプリは「龍円あいり氏(東京都議会議員)」が選ばれました!
龍円氏は受賞のコメントとして、「障がいのある子どもが生まれて気持ちが落ちた時もあったが、あるところに問合せをして一気に行政の支援が進んだ。周りに目を配ると、同じ境遇で苦しんでいるお母さんもいた。そういう仲間と一緒に、スペシャルニーズのある子どもたちの未来の姿を思い浮かべながら仕事をしてきました。このような評価を受けたことに感動しています。子どもたちの未来のために頑張っていきたいと思います」と述べました。

 

【北川正恭審査委員長・総括「地域から国を変える」】
第14回マニフェスト大賞の授賞式の最後に、北川正恭・審査委員長から総括として「議会基本条例など形式的な要件が揃ってきた。これからは、『取り組みが具体的に、どう市民に効果があったのか』という実質要件が問われる時代。2040年問題と言われるように高齢化のピークを迎え、『あれか、これか』の選択が必要になってくる中で、国からの押しつけではなく、地方の自立が求められる。そのためにも、”地方から国を変える”という思いで、首長執行部が地域を変え、執行部を議会が変え、議会を市民の皆様が変えるということになれば、日本も成熟した社会が迎えられる。この大会から全国のモデルケースを表彰し、自分たちもできるというように取り組みを善政競争で広げていってほしい」とエールを送り、会を締めました。

 

【感謝御礼!マニフェスト大賞2020(第15回)へ】

マニフェスト大賞は、ローカル・マニフェスト推進連盟の議員による実行委員会にて開催・運営しております。
今年は過去最高の2,619件のご応募、誠にありがとうございました!また来年、さらにバージョンアップした取り組みをご応募いただけることを楽しみにしています。

第14回マニフェスト大賞を支えた実行委員のメンバーと中央・前泊実行委員長

以上